別世界から現実世界に戻るときの浮遊感
以前にどこかの映画の前に流れていた予告を見て、
とてもスピード感のある良い予告だなぁと思って、
公開されたらきっと観に行こうと心に決めていたのだけど、*1
いつの間にか公開されて、いつの間にか超話題になってて、
気にはなるけど混んでたら嫌だなぁと思ってる間に時が過ぎて、
さすがにそろそろレイトショーが終わるという今になって
「君の名は。」をやっと観に行けました!わーい!
以下、ネタバレとか気にせず書きます!観てない人は読まないように!
あと、ちゃんとまとめたりもしません!そういうの許せない人は読まないように!
さて、まず、感想を一言で言うなら、「壮大な妄想を観た!」という気分です。
しかし同時にそのもにゃもにゃした世界がとても面白くて、あぁこのかんじ好きだなと感じました。
観ている間に受けた印象だけを挙げると
- とにかく感情に沿って進みながら、同時に複雑なストーリーの説明をするもんだから、ついつい没入してしまう。
- と思ったら急激に現実に引き戻される瞬間があったりもする。
- スピード感で駆け抜けるのかと思いきや突然ペースが落ちたり、感情が生まれたり消えたり、なんだか忙しい。
- そしてストーリーは思ったより盛りだくさんで、満腹感がある。
…というかんじ。
正直、見終えた瞬間の感想としては「設定は面白いけど、きっと同じストーリーでもっと面白く描ける人はいるのだろうなぁ。細かい設定が若干過剰なくらいに感じたから、きっと作者の中では壮大な妄想として完成された世界なんだろうなぁ。」なんてことを思ったりしました。
ただ、映画館を出て少しずつ現実の世界に戻っていく感覚を味わった瞬間に「あ、これ、さっきも感じたやつだ」と気付いて、そこからじわじわと、あの映画の世界が好きになっていきました。
記録しておかないと忘れてしまう、大切な感情の記憶が消えてしまうという焦燥感、
消えてしまった記憶の残り香を感じる瞬間のもどかしさ、
記憶がなくなったとしても気にかけることなく生きていける現実、
記憶の断片を取り戻した瞬間に目の前にある世界が違って見える驚き、
よく感じるのにすぐ忘れてしまうこんな感情たちを、うちは映画の中で登場人物達と一緒にずっと味わっていました。
現に、今こうして映画の感想を書き記そうとしながらもよく似た感情を味わっていて
それはとても儚くて、一方で、だからこそ、どこか心地よい気分にさせてくれて、
うちは映画を観に行ったときに味わうこの感覚が好きで映画を観に行っていたのだなぁと、改めて思い出させられました。
異世界にいた自分が、外気に触れて、少しずつ現実世界に戻っていく。忘れていた世界を思い出していく。
でも少し前には自分は確かにここではない世界にいて、今見えている世界も映画の前に見えていた世界とはどこか少しだけ違っている。
そんな浮遊感が、すごく、好き。
この感覚を忘れてしまう前に、また映画を観に行きたいなぁと思いましたとさ。
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そういえばパンフレット買えばよかったなと今更思った…。来週まだ売ってたら買おう。
あと、最近涙もろくなったはずの自分はほぼ泣かなかったんですが、後ろの席の人は号泣していたらしいです。これが感受性の差というやつなんでしょうか。。
*1:ちなみに毎回映画に行く度に何かしらの予告を見てはこうやって心に決めていて、実際に観に行くのは半分くらい