素数大富豪研究会2021を開催しました
マスプライム杯の決勝大会準備中にふと思い立ちまして、11/23に素数大富豪研究会2021を開催しました。
かけた労力に比べてめちゃくちゃ楽しかったので、この成果を忘れないように綴っておきます。*1
◎開催に至った経緯と意気込み
素数大富豪研究会とは、「学会ごっこがしたい!」という強い衝動から生まれた素数大富豪の研究集会です。2018年は北海道大学、2019年は東洋大学の教室をお借りして開催しました。
2回やってだいぶ満足したのとちょっと疲れたのが重なり、2020年は開催しなかったのですが、そうこうしてる間に世間では感染症が大流行。多くの学会や研究会がオンラインで開催されました。
オンライン学会、やってみたい……!!
もちろん、素数大富豪を取り巻く環境も大きく変わり、大会・イベントはオンラインで開催されることが多くなりました。そんな変化があったときこそ、研究会を開催するべきでしょう!…という良い口実もすぐに見つかりました。
また、顔を合わせて話す機会が減ることから、素数大富豪プレイヤー同志の繋がりが希薄になり、なんとなく素数大富豪から遠ざかってしまう人も増えていくのでは……と思い、研究会に登録してもらうことで少しでも素数大富豪コミュニティへの帰属意識を高めてもらえたらいいなとも考えていました。
それからもう1点、過去の開催年が2018=2×1009、2019=3×673と、ともに半素数だったことも実はずっと気になっていまして、2021(=43×47)年に開催したら何かとちょうどいいなぁと思ったのが、最後の決め手でした。
とはいえ、急な開催で発表者がそんなに集まる気もしなかったので、今回は「最低限の労力で、やりたいことだけやる」を運営の方針として設定しました。
また、研究会は「研究者の発表の場」という意味合いが最も強いと考え、「主役は発表者、聞きにくるだけの人は二の次」と考えるようにしました。もちろん、わざわざ時間を割いて参加してくれる人にだってありがたいとは思うのですが、この区別を明確にしたことで運営のプレッシャーはだいぶ軽くなりました。
◎準備したこと
運営に関しては、大変な準備はほとんどしていないです。
広報でいうと、無理に参加者を集める必要はないと考えていたので、9月のマスプライム杯に広告を出したくらいで、あとはちょこちょこっとツイートしたくらいでした。twitterでいいね&リツイートしてくれたみなさんのおかげで参加者が集まってくれました。ありがとうございました。*2
プログラムは、当初
- 小発表セッション(いわゆる口頭発表。もしくはLT。)
- 双方向セッション(いわゆるポスター発表のように、発表に加えて少人数でディスカッションする時間をとった発表形式。)
- ワークショップ(参加者を巻き込んでのディスカッション)
という構成を考えていたのですが、残念ながら双方向セッションでの発表申込が少なかったため、予定を変更し
- 小発表セッション(双方向セッション希望だった発表も全部こちらで発表)
- 特別企画(依頼講演または運営の方で準備した発表)
- ワークショップ
というプログラムになりました。
特別企画については、やるぞと決めた時点ではほぼノープランでしたが、せっかくの機会なので、素数大富豪オンラインの制作者であるpermilさんに依頼させていただきました。素数大富豪が2020年以降も引き続き遊ばれ、大会などの開催も継続できたのは、素数大富豪オンラインがあったからこそだと思ったからです。
permilさんについては以前からずっとお話を伺いたいと考えていたので、企画への協力をご快諾いただいてからは、ここぞとばかりにpermilさんの人となりから素数大富豪オンライン制作に至った経緯や今後の展望まで、いろいろな質問をさせていただきました。正直、これが実現できただけでも研究会を開催してよかったと思いました。
発表要旨集は、冊子体を制作しないことにしたらめちゃくちゃ楽でした。ちなみに一部の方からは冊子発行を期待する声もいただいたんですが、冊子を作らなければその分発表者が原稿を修正できる時間が増えるということになるので、当初の方針に則り、主役である発表者の利益を優先しました。
◎研究会直前〜当日
自分の研究発表や特別企画の発表準備を研究会の直前に詰め込んでしまったため、開催数日前からはちょっとバタバタしてました。しかしこの直前期も「最低限の労力で、やりたいことだけやる」という方針があったので楽しく取り組めたように思います。*3
研究会の中身はこんなかんじでした。
小発表セッション
発表は6件で、各発表タイトルは研究会HPに掲載のとおりです。セッションは2つに分けましたが、座長は両方ともtsujimotterさんにお願いしました。
ここはとにかく、発表者のみなさんがそれぞれに面白い発表をしてくださいました。Zoomのチャットを使って発表中からわいわいコメントできたのも楽しかったです。
自分個人としても1件発表をさせてもらいました。発表テーマは申込時の気分で決めてしまったんですが、その後、発表準備を進める中でテーマに掲げた取り組みの重要性を認識しました。研究会のおかげで研究が進んだし、今後の取り組みへのモチベーションも上がったと感じています。
特別企画「これまでの素数大富豪」「オンライン対戦を支える技術『素数大富豪オンライン』」
前述のとおりpermilさんと素数大富豪のオンラインの話がメインではあったんですが、それだけではさすがに「特別企画」感が足りないかなと思い、まずは素数大富豪の歴史についての情報をまとめて発表しました。この発表にあたっては前回(2019年)の研究会で制作した年表が大いに役立ってくれました。うーん、研究会やっててよかった!
発表自体はうまくできたのかよくわかりませんが、やはりpermilさんのお話が参加者にとっても興味深いことだらけだったためか、楽しく聞いていただけたようで良かったです。システム部分の説明にご協力いただきましたtsujimotterさん、こちらもありがとうございました。
ワークショップ
これに関しては、事前情報がほぼゼロだったにも関わらず、参加者のみなさんがそれぞれに楽しく参加してくださったようで、みなさんありがとうございました。
実施方法としては、まず事前アンケートの情報を元に4〜5人のグループと参加者が興味を持つ話題(テーマ)を決めておき、ブレイクアウトルームに分かれてグループディスカッションをしてもらいました。「グループのメンバーはブレイクアウトルームに移動してみないとわからない」というとことでドキドキ感を味わったうえで、全員での自己紹介を経てリラックスしてくれたらちょうどいいかな〜と思ってたんですが、いかがでしたでしょうか?*4
各グループで話した内容はそれぞれスプレッドシートに記録して、ディスカッション後に参加者全員に共有してもらいました。わざわざ発表資料を作ってもらう時間をとるのはもったいなかったし、議論の過程も見られたら面白いかなと思って設定した仕組みでしたが、うまく回っていたと思います。というかみなさん飲み込みが早くてありがたい。
参加者の方からは「オンラインでもこんなに交流ができるんだ!」という感想をいただけて、とても嬉しかったです。
懇親会
懇親会では、まず最初に、参加者全員に「今日の研究会の感想と、懇親会でしたいこと」を話してもらいました。ここで参加者の口からポジティブな感想をたくさん聞けたことは、私の疲れを大いに癒し、テンションを上げてくれました。*5
そして、ここで出た話題を元にブレイクアウトルームを作成し、各自好きなところで好きなことを話してもらうことになりました。また、他の部屋の様子がわかるように、話していることをスプレッドシートに書き込んでもらうようにお願いしました。*6
元々は双方向セッションでやりたかったようなことも懇親会でできたようで、全体としてやりたいことはだいたいできたかなと思います。
ちなみに懇親会は18時頃から始まり、20時で一旦締めたものの、まだ話したそうな参加者のみなさんを放置していたら24時過ぎまでやっていました。オンラインなら合宿も簡単にできちゃいますね。。おそろしい。
◎素数大富豪研究会の意義と今後の展望
最後は真面目にまとめます。
素数大富豪研究会は、素数大富豪関係イベントの中では異色の存在であり続けたいと思っています。「プレイする」ことから一歩離れた視点で素数大富豪を見つめ、素数大富豪を科学する人たちのためのイベントであり続けたいと思います。また、会・イベントの存在が、素数大富豪の知的ゲームとしての側面を際立たせる材料になれたらとも思います。
次回開催予定は、「開催年半素数の法則」から考えると2026年(=1013×2)になります。しかし実はこの部分を「素因数が2つの年に開催する」と解釈すると、2023年(=7×17^2)と2025年(=3^4×5^2)も開催候補に入れることができるのです。
発表の場としての研究会が存在することで研究の原動力になるということは、前述のとおり私自身も実感しているところではありますので、どっちのルールでやっていくかは、来年1年の様子を見ながらのんびり考えたいと思っています。少なくともアドベントカレンダーは今後も続くと思いますので、研究者のみなさんが引き続き研究に精を出してくださることを望みます。
*1:昔から何かを企画してもそれが終わると一気に忘れてしまうという癖があるので、自分のやったことや、特にやって良かったことはしっかり記録しておくべきと思っています。
*2:個人的にはお久しぶりのマモさんと全然話せなかったのが心残り。。もっと話したかったー!
*3:実は発案当初は、午前中に素数大富豪オンラインで交流会なんかもできたら楽しいかな〜なんてことも考えてたんですが、それは全然無理でした。当日朝にもめっちゃスライド作ってた。。
*4:職場のオンライン研修がちょうどこんなやり方で、毎回移動する度に新しい出会いがあったのが楽しかったので真似してみました。なお、「いかがでしたでしょうか?」とは書いてみたものの良い感想しか聞きたくありません。
*5:懇親会冒頭の進行も、事前には全く方法を決めておらず、tsujimotterさんがその場でこの方法を提案してくれました。感謝感謝。。
*6:オンラインの懇親会でよくある「一部の人だけが喋り続けて面白くないけど、他が何やってるかわからず移動もしづらい」状態を少しでも緩和できればとのアイデアだったのですが…どうだったんでしょうね。少なくとも自分は楽しかったです。笑